見えないところで街を支える:マンホール設置工事の一日
- 道敬 大塚
- 10月7日
- 読了時間: 2分
私たちが毎日何気なく歩いている道路。その足元には、生活を支える重要なインフラが張り巡らされています。今回は、マンホール設置工事の現場から、その作業工程をレポートします。
マンホールの役割
マンホールは単なる「穴の蓋」ではありません。地下に埋設された下水道管、電気・通信ケーブル、ガス管などへのアクセスポイントとして、都市インフラの維持管理に欠かせない設備です。
工事の工程
1. 準備段階:資材の確認


工事は入念な準備から始まります。
マンホールの蓋(ふた)
受け枠(うけわく)
各種固定金具
これらの部材を現場で確認し、規格通りに揃っているかをチェックします。蓋には滑り止めの突起が規則正しく配置され、安全性が考慮されています。
2. 既存路面の撤去

既存のアスファルト路面を慎重に撤去します。この段階では:
設置位置の正確なマーキング
周囲の路面を傷めないよう慎重な作業
掘削深さの確認
黄色いカラーコーンで作業エリアを明確に区切り、安全を確保します。
3. コンクリート基礎の施工

マンホールの受け枠を設置します。この段階がとても重要です:
プレキャストコンクリート製の受け枠を使用
水平・垂直の精密な調整
固定用のフックやチェーンで仮固定
コンクリートが固まるまで、この状態で養生します。
4. 最終調整と仕上げ

最後の仕上げ工程です:
周囲にコンクリートを流し込み
木製の治具で高さを微調整
路面との段差をゼロに近づける精密作業
コテで表面を平滑に仕上げ
この「レベル合わせ」の精度が、完成後の使用感を大きく左右します。ほんの数ミリの誤差も許されない、職人技が光る瞬間です。
見えない品質へのこだわり
マンホール設置工事で特に重要なのは:
耐久性
何十年も使用に耐える構造
重量車両の通行にも対応
安全性
蓋がずれたり外れたりしない確実な固定
滑りにくい表面加工
快適性
車両通過時のガタツキや異音を防ぐ精密施工
路面との段差をなくすレベル調整
おわりに
完成すれば、そこにマンホールがあることさえ意識しない日常。しかし、その「当たり前」を支えるために、多くの職人が丁寧な仕事を積み重ねています。
次に道を歩くとき、足元のマンホールにちょっとだけ目を向けてみてください。そこには、見えないところで街を支える人々の技術と誠実さが詰まっています。
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